妊活前に知っておきたい妊娠適齢と高齢出産リスク:年齢別の確率は?

晩婚化と高齢出産が当たり前になった現代日本。妊娠を検討している場合に知っておきたい出産適齢期、加齢に伴うリスクをまとめる。

はじめに

本記事は科学的視点から正しいと考えられ出典が明らかなデータを引用した構成となっている。結論として高齢出産に対し警鐘を鳴らす内容になっているが、そもそも生物学的知見からも出産適齢期を過ぎて出産するメリットは存在しない。淡々と事実を述べているだけで無意味に不安を煽ることを目的としていない点にご留意いただきたい。

高齢出産とは?

日本では35歳以上の出産は「高齢出産」と呼ばれる。一般的に女性が妊娠・出産する能力は加齢に伴って低下するため、若い年齢での妊娠・出産と比較して高齢出産は相対的にリスクが高まる傾向にある。

加齢リスクについて

年齢を重ねた場合、具体的にどんなリスクが高くなるのか。要因別に分析してみよう。

母体の安全

出産にあたって最優先されるのは母体および胎児の安全だ。女性は妊娠に伴って体が大きく変化するため、約20人に1人は妊娠高血圧症候群になり8人に1人は妊娠糖尿病と診断される。若いうちの妊娠・出産と比べて身体の負荷が高くなるため相対的に胎児・母体の安全が脅かされることは揺るぎない事実であり、妊産婦死亡率も年齢に応じて高まってしまう。(引用元:国立社会保障・人口問題研究所

  • 20-24歳:0.7
  • 25-29歳:1.6
  • 30-34歳:4.8
  • 35-39歳:10.7
  • 40-44歳:26.6
  • 45歳以上:207

上記の数字は出生10万に対する値でありリスクとして気にし過ぎる必要はないが、相対的な数字として健康リスクが高まるイメージを持つ上で役立つ。特に30代以降は加速度的に健康リスクが高まると考えておいた方が良いだろう。

自然妊娠確率

加齢に伴い自然妊娠可能な確率も低くなる。最近の研究で現実的な数字が確認できるのはHuman Reproductionの論文。本研究では20歳で妊活を始めた場合はほぼ100%、35歳でも体外受精を選択肢に入れることで9割が妊娠可能な結果をまとめている。

包括的な解説は公益財団法人「1more Baby応援団」の記事が詳しい。2人目が確実に欲しい場合は自然妊娠なら27歳まで、体外受精を含めるなら31歳までといったタイムリミットに気をつけること。

ちなみにネット上で参考文献として引用されることが多いドイツの研究(35歳 → 18%, 40歳 → 5%等の確率)は年齢と妊娠確率の相関を示す研究内容ではない。不妊治療ビジネスを促すための誤情報も多いので注意。

死産・流産する確率

年齢を重ねるに連れて胎児が死産・流産する確率も高くなる。無事に妊娠しても流産してしまう確率は年齢別で下記の通り。(参考:慶應義塾大学医学部産婦人科

  • 20-24歳:9%
  • 25-29歳:11%
  • 30-34歳:15%
  • 35-39歳:25%
  • 40-44歳:51%
  • 45歳以上:75%

35歳を超えると流産する確率は一気に高まる。出産適齢期の20代でも流産する確率は1割と高く、一度経験すると妊活を続ける上でも精神的負担にも繋がりやすい。

続いて妊娠12週以降の周産期死亡率について。平成23年とデータは多少古いが年齢別にまとめた周産期死亡率(早期新生児死亡率+死産率)は下記の通り。

死亡率が最も低いのは25~29歳で年齢を重ねるに連れてリスクが高まることがグラフから読み取れる。2016年など直近の統計データは政府統計の総合窓口「e-Stat」で確認可能。外国に比べると日本の周産期死亡率は極めて低いが、25~29歳と比較して40歳以上では約2倍程度に流産・死産リスクが高まることを把握しておこう。

染色体異常・障害を伴う確率

母親の年齢が上がるに連れて胎児のダウン症などの先天性染色体異常の発症確率も高まる。母年齢と出生時のダウン症の頻度の相関は下記の通り。(出典元:母年齢と染色体異常の頻度

  • 20歳:0.065%
  • 25歳:0.080%
  • 30歳:0.119%
  • 35歳:0.281%
  • 40歳:1.068%
  • 45歳:4.193%

詳細な年齢ごとの数字はリンク先pdfで確認できるが、リスクが加速度的に増加する傾向が読み取れる。現在はクアトロテストでダウン症の判定も行えるが、結果次第では生命の取捨選択とも捉えられる大きな判断を迫られることになる。また、自閉症になる確率が父親の年齢に依存するといった研究結果も海外では報告されており、加齢に伴うデメリットが存在することは疑いようが無い。

不妊治療費について

加齢により自然妊娠が望めない場合、多くの場合は不妊治療に頼ることとなる。その場合の人工授精、体外受精の費用も馬鹿にならない。この記事では妊活全般に掛かった平均費用は約35万円。人工授精・体外受精・顕微鏡受精を経験した人に限ると平均費用は約134万円にも上るとのこと。不妊治療を行う場合は100万円単位での出費を覚悟する必要はある。また、自治体によっては助成金も存在するので情報を調べて上手く活用して欲しい。

結論

もし将来的に妊娠を計画し子供を授かりたいと思っている場合、母子ともに健康に出産を終える上で妊活は「早ければ早いほど良い」。もちろん出産後の金銭的不安や育児する余裕があるかも重要なポイントではあるがタイミングを逃して後悔してからでは遅すぎる。自身の人生設計も踏まえて見つめ直し、家族全員でより良い人生を送るために参考としてみて欲しい。

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